連続技■繰り返しを利用する 朝起きました。顔を洗いました。そして歯をみがきました。そしてごはんを食べました。 子供の書く文はこうした繰り返しが多いですよね。 同じ接続詞が連続して使われたり、文の終わりがすべて「〜しました」で結ばれていたり。 安易な繰り返し表現は、大人でも平然と使うひとが多いです。極力避けたほうがいいでしょう。 たとえば、逆接の場合にも、「しかし」ばかり使わず、「だが」、「ところが」、「でも」などを混用しましょう。 しかし、繰り返しは上手に使うと、文章に張りを出すことができます。 教えてくれ。喉が震えた。 その顔で男を誘惑するのか? そんなに男が好きなのか? バンドに入ったのも、あいつといるためじゃないのか? おれの動揺を、裏であいつと笑い合っているんじゃないのか? そうじゃなかったら、おれにも色目を使う気なのか? いったいどういうつもりなんだ? おれはどうしたらいいんだ? おれにどうしてほしいんだ? 頼むから教えてくれ。 おかしくなってしまう。 狂気や、混乱した様子などを表現するのに適しています。あまりしつこくすると鼻につくので注意しましょう。一作中に一、二度使う程度が限界でしょう。 ■台詞の連続技 同じ言葉を繰り返す。 「離すな」 指先の色がなくなるほど強く、山田のダウンジャケットを握りしめた。掠れた声で訴えた。 「離すな」 もう一度、唇を貪りあった。 補足、または簡略化して繰り返す。 「離すな」 指先の色がなくなるほど強く、山田のダウンジャケットを握りしめた。掠れた声で訴えた。 「頼むから、おれのこと、離すなよ」 もう一度、唇を貪りあった。 なんとなく詩的な雰囲気に。場面や心境の動きを強調させる効果もあります。 使いすぎるとナルシシズムの見本のようになってしまうので、ご注意。 |