小説のルックス好きな作家の本をぱらぱらと雑にめくっただけで、恍惚をおぼえます。 文字の並び、漢字・ひらがな・かたかな・記号を用いて描かれた色彩の美しさに、つい見とれてしまいます。 ヴェテランの編集者にもなると、熟読せずにちらっと見ただけで、その作品がどの程度のレヴェルかわかるそうです。 いくら素晴らしい内容のドラマでも、役者がブスばかりでは、見てもらえないかもしれません。 ぱっと見たときの文のルックスにも気を遣ってみましょう。 たとえば、同じ単語でも、ひらがなとかたかなでは印象がちがいますよね。 ひらがなはやわらかく、かたかなは硬い。日本人のほとんどはそう感じるそうです。 ひらがな=やわらかい、あたたかい、やさしい、ゆっくり。 例:鈴木はひらいたばかりの喫茶店のメニューを見てキャラメル・ラテをえらび、店員をよんで注文をすませた。 かたかな=硬い、冷たい、機械的、違和感。 例:鈴木はニュー・オープンのカフェのメニューを見てキャラメル・ラテをセレクトし、ウエイトレスを呼んでオーダーを済ませた。 漢字もバランスよく配置しましょう。 漢字はひらがなやかたかなよりも画数が多く、見た目の色が濃いです。 あまり使いすぎると、紙面(サイトでは画面)が暗くなりすぎ、重い印象を与えてしまいます。 かといって、避けてばかりいると、内容が薄く感じられます。 このあたりにも、それぞれのセンスが要求されます。 |